地銀を活用して行ったことのない遠方の都市にある物件を購入!スピード勝負に勝てた要因と売り止めの危機回避策は何?
東京出身・東京在住の私が、縁もゆかりもない富山県富山市の物件を購入した際に、やった事・考えた事をお伝えしたいと思います。
不動産投資を考えている方の参考になれば幸いです。
もくじ
融資を受ける銀行は?
E地銀の融資条件
不動産投資を開始するにあたり、まずは融資してくれる銀行の開拓が必須となります。
私は、不動産投資を開始してすぐに、都銀3行,地銀4行,政府系銀行2行を開拓していました。
その中のE地銀の融資条件は以下のとおりです。
項目 | 条件 |
融資エリア | 全国 |
融資金額 | 2億円まで |
融資年数(RCの場合) | 47年-経過年数 |
金利 | 4.5% |
E地銀から融資を受ける物件の条件
上記のとおり、特徴としては、
- 物件所在地は全国
- 金利が4.5%と比較的高い
という条件なので、地方で利回りの高い物件を探すことになります。
具体的には、築20年で利回り13%以上,築25年だと15%以上の物件を探さなければ、私のキャッシュフロー基準を満たさないことになります。
物件概要書
収益サイトから、以下のような物件情報を入手しました。
築年数:23年,利回り:14%なので、直ぐにでも検討して良い事が判りました。
確認する事項は以下となります。
- 構造・・・・・・・・「鉄骨鉄筋コンクリート造」なのでOK
- 利回り・築年数・・・「利回り14.9%」「築22年」(購入当時)なのでOK
- 店舗・テナント・・・「店舗なし物件」なのでOK
この物件情報を発信している売買仲介業者に具体的に検討したい旨を伝えると、何人もの投資家が検討しているとのことで、物件購入にはスピード勝負になるとのことでした。
売買仲介業者には、直ぐにでも買付書を送ると伝えましたが、現地確認をした人を優先するとのことです。
なので、物件購入には一刻も早く現地に行く必要があります。
キャッシュフロー計算と購入基準
キャッシュフロー計算
私が物件を購入する際のキャッシュフロー計算式は、以下のとおりです。
キャッシュフロー=実質収入-経費-年間借入返済
・実質収入=満室年間収入×85%
入退去や家賃下落を考慮して、満室年間収入の85%とします。
・経費=満室年間収入×20%
管理費,共用部分の公共料金,修繕費,固定資産税・都市計画税・エレベーター保守費が含まれます。
・借入返済は、エクセルのPMT関数を使って計算します。
合格物件の基準
上記のキャッシュフロー計算をして、1億当りいくらキャッシュフローが出るかで合格か不合格かの判断をします。
私が合格物件とする基準は、
1億当りのキャッシュフローが250万円を超える事
として設定しています。
このように、【物件を数値で見える化】することによって、ブレない投資判断ができるようになります。
この物件の判断基準
すると、この物件のキャッシュフローは以下となりました。
- 実質収入:1,866万円×85%=1,586万円
- 経費:1,866万円×20%=373万円
- 年間借入返済:834万円(PMT関数にて計算)
- キャッシュフロー:379万円
- 1億当りキャッシュフロー:303万円
となり、数値的には合格物件となります。
現地調査~買付
平日の現地調査
物件情報を入手し、すぐにシミュレーション実施して合格物件と判断できました。
次は、現地調査です。この物件情報は夜に入手したので、次の日の平日に現地調査することになります。
とにかくスピード勝負の物件なので、一刻も早く現地調査をする必要があります。
しかし、東京在住のサラリーマンであった私が、平日に富山市で現地調査に行くためには、ひと工夫が必要です。
そこで私は、サラリーマンとして勤めていた勤務先には、
- 午前に東京のクライアントに訪問する
- その後、移動して大阪のクライアントに行く
という報告をしました。
つまり、午前中は東京のクライアントに訪問(したことにして)、その後、富山市に行って、現地調査することにしたのでした。
飛行機に乗って現地調査
当時、まだ北陸新幹線が開通していませんでしたので、移動は羽田・富山便の飛行機を利用しました。
実は、これまで富山県には行ったことがなく、人生で初めての富山への渡航は、購入を検討している不動産物件の調査のためとなりました。
飛行機に乗った全員がライバルに見えた
朝一番の機内には、スーツを着たサラリーマン風の人が結構乗っています。
この時「もしかしたら、全員が同じ物件の現地調査に向かっているのでは?」と思いました。
その位、人気物件でしたし、何より物件を取得したいという気持ちばかりが大きくなっていたと思います。
富山空港に着いたらレンタカーを借りて現地に行くことになります。
私は飛行機を降りたら急いでレンタカーのカウンターに行きましたが、だれもレンタカーを借りる気配はありません。
タクシーか?と思いましたが、タクシー乗り場も閑散としています。
全員がライバルに見えましたが、私の思い過ごしだったのです。
建物を確認
現地に到着し、まずは建物のチェックをしました。
クラックが入っていないか?爆裂はないか?駐車場は資料通りか?各戸の電気メーターは回っているか?ポストの稼働と入居状況があっているか?エレベーターはキチンと保守されているか?周辺の環境は?
これらを1時間程かけて調査し、問題がない事を確認しました。
ヒアリング実施
次にヒアリングです。
物件を管理している管理会社及び周辺の賃貸仲介の5店舗にヒアリングを実施しています。
その結果がこちらです。
- 富山市内中心から近く、賃貸のニーズはそこそこある。
- 現在の賃料なら募集しやすい。
- 28戸に対し敷地内に駐車場は7台のみ。今は周辺の駐車場を借上げしているが、それが継続できないと客付けは難しい。
- 中には7年入居している部屋があり、退去の場合には大型のリフォームが必要になる可能性あり。
- 築22年で屋上防水や外壁塗装などの大規模修繕が未実施。数年後にはこれらが必要になる可能性がある。
上記の通り、おおむね良好なヒアリング結果となりました。
買付
キャッシュフロー,現地調査ともに問題ありませんでしたので、物件を紹介してくれた売買仲介業者に買付書を送ります。
買付書は、あらかじめ必要事項を記入しておいたので、あとはコンビニからFAXするだけです。
FAXを送った旨を仲介業者に連絡して番手を確認しました。
すると、「1番手です。」とのことでした。
あとは融資が通ることを祈るのみです。
銀行融資
E地銀へ融資申し込み
現地調査後、E地銀に正式に融資申し込みしたいと連絡しました。
すると、E地銀から以下の資料の提示を求められたので、直ぐにプリントアウトして郵送しました。
私は、これらの資料は全てパソコン内にPDFでまとめているので、銀行からこれらの資料を求められたら、直ぐに提出できるよう準備しています。
- 物件概要書
- 最新レントロール
- 固定資産税評価証明書
- 確定申告3期分
- 最新金融資産エビデンス
融資可否の判断は1週間
E地銀は融資承認のスピードが早いという話は聞いていました。
上記の資料を持参してE銀行の担当者と面談しましたが、融資できるか・できないかの連絡は、1週間位でするとのことです。
また、あくまで銀行担当者の感触だけですが、「たぶん融資可能だと思う!」という心強い言葉をいただきました。
この物件も買えないのか。。
売り止めの危機
E地銀への融資申し込みと併行して、売買契約の段取りを行いました。
売買仲介業者には、融資の感触が良かった点を猛烈にアピールして、売買契約をしたいと申し入れました。
すると、以外な答えが返ってきました。なんと、ここにきて売主が物件売却をためらっているとのことです。
この売主は、年配の女性の方でしたが、亡くなったご主人が持っていた資産整理のために、物件を売却する計画だったようです。
ところが、お子さんの反対があり、売却をためらっているとのことです。
この時、私の心の中では、こんな事を感じていました。
- せっかく会社に嘘をついてまで平日に現地調査に行ったのに。。
- せっかく1番手で買付を入れたのに。。
- せっかくE地銀の担当者から融資の確度が高いと言ってもらったのに。。
連戦連敗の日々
実は、この物件を検討している数ヶ月間は、以下の状況が続いていました。
- 超特急で現地調査して買付を入れたが2番手。結局、1番手の人に融資が付いて物件購入に至らず。
- 1番手を確保した物件の融資申し込みをしたが、銀行の融資評価額が極端に低く購入を断念。
- キャッシュフロー計算上では合格物件だったが、ヒアリングの結果、売主が莫大な広告費を払って、無理やり客付けしていることが判明して、この物件から撤退。
- 銀行から融資内諾までもらった物件が、売主の税理士から売却中止のアドバイスがあったとの理由で売却中止。
まさに連戦連敗の日々が続き、一時は自分には不動産投資は向いていないと諦めかけていました。
しかし、私の部屋に貼ってあった
『3年後の12月31日までに、不動産投資で5億円の物件を購入し、キャッシュフローを1,000万円確保する』
という目標をもう一度読み返し、少しづつですがやる気が復活してきていました。
そんな中でのこの富山物件だったので、「何としてでも購入してやる!」と売主を説得する材料を探しました。
手紙作戦
売買仲介業者としても、ここに来て売主のが売却をためらう事は、想定外だったようですが、何か作戦はないものかと一緒に作戦を練ることにしました。
売買仲介業者にもう少し詳しく売主について聞いてみると、なんと私の住んでいる自宅から車で10分程のところに住んでいるとのことです。
そこで、情に訴える作戦として、売主に手紙を書く事を思いつきました。また、売主へのお土産として、我々の地元で有名なケーキ屋さんのお菓子も持ってくよう依頼しました。
手紙の内容は、
- ご近所に住んでいる。
- 物件情報を入手して直ぐに富山に飛んだ。
- 物件を見に行って大変気に入っている。
- 既に銀行から融資の了承を得ている。
- 購入後は、外壁塗装などの修繕を実施して物件をきれいに保ちたい。
- 長期に保有して大事に物件を運営したい。
というものでした。
すると、手紙を出してから1週間程経ったある日、売買仲介業者から「やりました!売主側の調整がついたので売買契約しましょう!」との連絡を受けました。
どうやら、サラリーマンであった私が、物件情報を入手して直ぐに現地に行った事や物件を大事に運営するという姿勢が評価されたようです。
一時は、諦めかけましたが、手紙作戦が良い方向に向いてくれたのだと思います。
売買契約
売買契約締結
事前に契約内容をメールで送ってもらい、契約条件を細かく確認し、融資特約期限等のいくつかの修正をしてもらいました。
そして、捺印日の当日は、売買仲介業者のオフィスに、売主・買主(私)・仲介業者が集まって、粛々と作業をこなしていきます。
まず、契約書を読み合わせして、問題ない事を確認後、捺印になります。
約1時間程で、上記の作業が終わり売買契約締結は完了となります。
決済・引渡し
大安吉日
決済・引渡し日に関しては、売買契約時に大安吉日が良いだろうということで、ある月の大安吉日にしました。
そして、実際の決済・引渡は、事前に売買仲介業者と銀行が連絡を密にしてくれたお陰で、滞りなく終わりました。
平日だったということもあり、私は普通にサラリーマンとして勤めていた会社で業務をしていましたが、売買仲介業者から予定より早く決済が完了したとの連絡を受けて、晴れて富山物件のオーナーとなりました。
後日、登記識別情報(権利書)が司法書士から郵送されてきます。
購入してから1年後
物件購入してから1年経過したところで、E地銀に金利の相談をしました。
満室近くで運営しているので、十分なキャッシュフローは確保できていましたが、4.5%の金利は他行と比べても圧倒的に高いので、以下の作戦でE地銀に相談に行きました。
- 北陸地方にある地銀から借り換えの提案があった(ことにした)
- 当方としてはE地銀と長く付き合いたいが、今のE地銀の金利レベルでは借り換えせざるを得ない
- ついては、E地銀として金利を下げる事を検討してもらいたい
すると、E地銀から2週間程で3.1%の金利ではどうかとの提案があったので、まずは3.1%にしてもらいました。
これでも金利は他行と比べて高いので、更に金利を下げる方策としては、都銀への借り換えになります。
しかし、E地銀から都銀に切り替えた場合
- 5年以内の借り換えはペナルティが発生
- 今後、E地銀から融資を受けられない
というデメリットもあります。
なので、かなり金利が下がらないと借り換えのメリットはありません。
ある日、別の物件の融資を受けている都銀に借り換えの打診をしたところ、金利1.2%の提示があり、これならば借り換えのデメリットよりもメリットが上回るので、E地銀から都銀への借り換えを決断しました。
これで、更に1億当りキャッシュフローは向上しました。
まとめ
この物件が購入できた決め手
今回は、遠方の物件にも関わらず、スピード感を持った行動ができたことが、最大の要因だと思います。
また、「銀行を開拓⇒その融資条件にあった物件を探す」というルーティンが出来ていたことから、効率的に物件を見つけることができたと思います。
一度は購入を諦めかけましたが、手紙作戦が良い方向に向かってくれたのは、ラッキーといか言いようがありません。
不動産は孤独な投資
今回は、富山の物件の購入に関して、記事にしてきましたが、不動産投資はとても奥が深いものです。
まだまだ、書きたい事は山ほどありますし、ここまで読み進めた方の中には「もっと不動産投資について知りたい!」「絶対失敗したくないので、やり方を詳しく教えて!」と思われている方もいると思います。
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この書籍は、この記事には書ききれなかった不動産投資で陥りがちなワナなどがまとめられており、初心者の方が読んでも判りやすく書かれています。
また、書籍やメールを読み進めていくうちに、不動産投資について基礎から応用まで網羅することができますので、不動産投資であなたの目標や夢を実現する手助けになればと思っています。
不動産投資は孤独な投資です。不動産投資に関して、相談する人がいない方は、失敗しないためにも読んでいただけると幸いです。
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一読いただけると嬉しいです。
ここまで読んでいただいて、ありがとうございました。
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